今週土曜に迫りました「第3回 狂言と琵琶を聞く会〜江の島の巻〜」。
今回は「江島縁起」に取材した新曲、「五頭龍と弁財天〜江島縁起より〜」を
演奏会のために作りました。
色々と調べ物から始まるのが常ですが、この度鑑賞会の会場としてご協力いただきます「日蓮宗 龍口山 本蓮寺様」にも由来の深い、竜の口明神様と江の島の弁財天様が登場するのが江島縁起。
江の島湧出の起源を伝える伝承です。
曲のあらすじは・・・・
今から1500年前、江野の海に江ノ島が湧出、弁財天様が現れました。
その頃鎌倉深沢には、五つの頭をもつ恐ろしい悪竜が住んでいて、民人を大変苦しめていました。
しかしその悪竜がなんと、弁財天様のあまりの美しさに恋をしてしまいます。
思い詰めること1日?すぐさま求婚するのですが、ピシャリと弁財天様に拒絶されてしまいます。
悪行を改める様に・・と言った言わないは色々ある様ですが、悪竜王は己の所業を大変後悔します。
そして、悪心を翻して民のために良き行いをする善神となることを弁財天に誓います。
弁財天は龍王を信頼し、晴れて二人は夫婦となるのでした。
その後、龍王は自然災害から民人を懸命に守るのですが、やがてその力が衰え、ついに山となって江野の地を守ることとなるのです。それが現在の龍口山と言われます。
最近自作の曲に和歌を入れたい気持ちがあるので、今回も色々と苦心しました結果、この一句。
天地と いふ名の絶えてあらばこそ 汝(いまし)と我と逢うこと止まめ
(天地言名絶有汝吾相事止)柿本人麻呂
もし貴方と私がお別れをするのなら、天と地という名までもが滅びる時でしょう(つまり我々の縁は永遠です※超訳ちやま)という少しロマンチックな和歌を持ってきてみました。。
琵琶曲は大体15分から20分程度の尺で、起承転結がわかりやすく且つ情感もたっぷりに、詞と琵琶の弾き方が上手に交わって、起伏に富んだ構成になっていると聞き応えがあります。(個人の感想)
つまり、そう言った楽曲構成をどうしたら宜しいのかしら?というのが最初の一歩。
実際「詞から作ります!」というのを宣言するのは己の首を絞めるに近いなあ・・といつも思います。
今回は
・能楽「江島」
・書籍 江島縁起ー現在天信仰のかたち 鈴木良明 著 有隣新書
・いにしえの恋歌 和歌と漢字の世界 彭丹(PengDan) 著筑摩選書(筑摩書房)
・江戸以前薩摩琵琶歌 島津正 著 ぺりかん社
・日本往生極楽記
・今昔物語集
・海道記
・万葉集
などなどなど、他にも様々参考にさせていただきました。
まだまだ改善の余地あれと思いますが、少しずつ良くなっていくのも良いのかもしれないと思っています。
余談ですが、琵琶曲の詞章は文語体で七五調が基本。詠唱に耐えうる美文、言葉のリズム感は言わずもがな、一つ一つの言葉の「意味の圧縮加減」を慎重に扱うことが必要です。
綺麗だけれど難しい言葉ばかりでは、聞く方が物語に入り込めません。。
かといって口語体の言葉では、音感や強弱やリズム感を節に持たせるのが難しいことも。
何度も演奏した曲でさえ、語る(詠唱・歌うと同義)たびに言葉の美しさに気がついたりすることがありますから、本当に日本語とは奥が深いものですね。願わくば口から音として発することで、その詞が意味を持って形となってお聞きくださる方へ届くといいなあ・・と思う最近です。
ということで、もう今週の土曜日ですが、鎌倉散策も含めてぜひお運び頂けましたら幸いです。
清澄な佇まいが美しい本蓮寺様は、本堂が広いのでまだまだお席ございます♪
ご興味ございましたら千山へのご連絡でも承ります。
ご連絡くださいませ。info@biwa-chiyamayuki.com
お待ちしています🍁
詳細とお申し込みはこちら!
11月16日「第3回狂言と琵琶を楽しむ会 江ノ島の巻」
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